猫背的事務員musaのゆる~い読書記録

仙台在住musaの、大好きな読書と本にまつわる日々の記録です

「奇想、天を動かす」島田荘司 を読んでサハリン棄民を初めて知った

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伊坂幸太郎さんの随筆集3652―伊坂幸太郎エッセイ集 に載っていた

リコメンド本の一冊です。

 

奇想、天を動かす (光文社文庫)

奇想、天を動かす (光文社文庫)

 

 

この本を図書館から借りてきて手に取った第一印象。

「とにかく表紙が不気味すぎる」 でした。
だって、ピエロ?が顔だけ雪の中に埋まっているんですもん。

 

何かとてつもないオーラを感じながらも読み始めたのですが
とても深く広く長く重いお話、そして謎と推理は超一級で
あっというまに読み終えました。

 

 

前半は過去へさかのぼるにつれて「現実にはありえないでしょう?」
っていうファンタジーみたいな事件がいくつも出てきます。
その事件の真相を知りたくてどんどん読み進めてしまいました。


当たり前ですが、どれも夢ではなく現実(小説の中で)だったんですよね。
謎を解いてくれる吉木刑事の話を読みながら、目から鱗が落ちまくりました。

 

 

これは少しネタバレになりますが、

特に印象に残っているのが「白い巨人」が発生した事故のシーンとその後。
列車に居合わせた徳大寺機関士は、その事件のち精神を病んでしまいます。
でも最後の最後に白い巨人と事故現場で再会します。

 

実際は白い巨人なんていなくて種明かしがあるんですが、
何年もその事件によって苦しめられてきた徳大寺機関士が、
その後どう生きることになったのか、なぜかとても気になるのです。
作中に出てくる物語「白い巨人」もなんだか幻想的で童話のようです。

 

 

後半、物語がとても重苦しさを増してきます。
事件の真相がわかってくるにつれ、ただの殺人事件ではなく
朝鮮人強制連行」「サハリン棄民」という
第二次大戦中・戦後日本に関わる問題に関わっていることがわかってきます。

 

正直、軽々しく感想を書くのは難しい問題だと思います。

今回、この小説を読んで私は初めて「サハリン棄民」という事実を知りました。

とても重い事実ですが、戦中戦後にこういう事実があったことは

日本人として知っていることは大切だと思います。

 

歴史事実に対する意見・評論はさまざまあるにしても、

知らないのと知っているのでは大違いだと思うから。

 

写真記録 樺太棄民―残された韓国・朝鮮人の証言

写真記録 樺太棄民―残された韓国・朝鮮人の証言

 

 

我が家は韓国とも縁があるので、とても他人事とは思えず

胸に迫る箇所もたくさんありました。

 

何より、島田荘司さんが小説という形で

サハリン棄民の韓国人の人を取り上げたことに

強い責任感のような、見守る温かさのようなものを感じました。

 

ありがとう、島田さん。(と、なんとなく御礼を言いたい)

まだ島田荘司作品2作目ですが、次々読みますから!

どうぞこれからもお世話になります。

私をびっくりさせてください~!

 

↓記念すべきmusa初めての島田作品「北の夕鶴2/3の殺人」

北の夕鶴2/3の殺人 (光文社文庫)

北の夕鶴2/3の殺人 (光文社文庫)

 

 

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musa