猫背的事務員musaのゆる~い読書記録

仙台在住musaの、大好きな読書と本にまつわる日々の記録です

「新幹線お掃除の天使たち」遠藤功 を読んで改めて鉄子を実感した

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 電車や新幹線のフォルムの美しさにいつも目がくぎづけになります。運転士さんの、カッコいいデザインの制服を着てホームで電車を待つ姿も好き。駅の改札やホームで家族や恋人たちが再会したり別れたりする模様も見てて胸がきゅんとなる。ホームで電光掲示板を不安そうに見上げるおじいちゃんおばあちゃんの心もとなさ。電車が入線してくるワクワク感。発車メロディが鳴って電車がゆるゆると発車してホームからいなくなったあとのなんとも言えない虚しい感じ。そういった、駅と電車をとりまく全てが心から好きです。

ようは私、鉄子なんですね!笑


その中でも、東京駅のホームに新幹線が到着する時、一礼しながら迎えてくれる作業着を着た人たちを初めて見た時、なんだか泣きそうになったことを今でも覚えている。あれはたぶん大学の時。地元へ帰省するために上越新幹線に乗る時。それがテッセイの車両清掃スタッフの方達でした。なんて礼儀正しく清々しい人たちなんだろう!と密かにファンになった私は、東京駅で新幹線に乗るたびにテッセイの皆さんを目で探してその姿を拝見していました。

 

今回読んだ本「新幹線お掃除の天使たち」を知ったのは最近ネット徘徊中見つけたビジネス系記事だったと思う。あの東京駅の礼儀正しい掃除のおじさんおばさんのことだ!と思って嬉しくなって本を借りていました。

 

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

 

 

内容は2部構成です。

第一部では、この本のきっかけとなった「エンジェル・リポート」(現場でコツコツと頑張っている人たちを、現場の上司や仲間たちが褒める仕組み)の代表的なストーリーを何本か紹介している。テッセイの日常の現場で起きていること、テッセイのスタッフとお客さまたちとの交流など、「ちょっと素敵な話」を紹介。

第二部では、これほど注目されるテッセイという会社がどのように誕生したのかをひもといて紹介。「お掃除の天使たち」が生まれてくるまでの会社としての取り組みを、時の流れに沿って紹介している。

P7 はじめにより

 

そもそもテッセイという会社とは?

株式会社JR東日本テクノハートTESSEI

テッセイは旧国鉄時代の昭和27年に設立されたJR東日本のグループ会社。JR東日本が運行する東北・上越などの新幹線の車両清掃、東京駅・上野駅の新幹線駅構内の清掃などを主な業務とする会社です。

p3 はじめにより

 

くしくも東京へ向かう新幹線の中で読み進めました。 

 

現場の生の声であるエンジェルリポートを読んで、新幹線が到着して折り返し運転出発までの7分間(たったの7分!)の間に、スピーディに清掃業務をこなしながらいくつもの気配りを重ねてくださっていることを知りました。読んでいて涙が出そうになった場面も。(特に、リポートNo6「がんばるぞ!日本」の項。東日本大震災発生後の汚れた東北新幹線をキレイにしてくださった話にじーんときた)

 

一番強く感じたのは、「陰徳陽報の人は美しい」ということ。陰徳陽報とは、「陰徳あれば必ず陽報ありとは、人知れずよい行いをする者には、必ずよい報いがある」という意味。清掃という、端から見ても目立たない影の仕事に黙々と徹している。しかもテキパキ・スピーディに取り組んでいる。その姿は見ている私たち次の乗客になんともいえない清々しさを感じさせてくれます。スタッフの皆さんによい報いがどのような形で来ているのか、細かくはわからないけれど、この本に書かれているスタッフの皆さんの「業務を通して自身が成長できた」「お客様からこんな声をかけてもらって嬉しかった」というエンジェルレポートの声は陽報ともいうべき輝きでしょう。

なんだかテッセイのスタッフの皆さんは蓮の花みたいだなと思う。汚れた泥水の中から美しい花を咲かせてくれる。まさにそんな姿を彷彿とさせます。

 

そしてビジネス書という観点では、「一人立つリーダー(矢部輝夫さん)」がいたからテッセイという会社がここまで評価される状況に至ったということではないでしょうか。世間から注目される前のテッセイは、可もなく不可もないJRの子会社というレベルだったそうです。

早速、現場を回ってみると、スタッフの人たちはとても真面目。与えられた仕事はきちんとやります。でも、見方を変えれば、それ以上のことはやらないし、求められてもいない。職場にも今ひとつ活気がありません。「自分たちはしょせん清掃員」という意識がどんよりと蔓延しているように見えました。

さらに、現場と経営陣との距離がとても遠い。経営陣が何を考え、会社をどのようにしたいと思っているのか、現場のスタッフにはまったく伝わっていません。

「一体感がないな・・・」矢部さんは強く感じました。

p137 第二部より

 この状況から、矢部さんを中心に様々な変革を打ち出し実行していきます。組織を変え、人事制度を変え、経営テーマを打ち出しそれを現場レベルに落とし込んでいく。初めは戸惑いながらも、だんだん現場からの変革のムーブメントが巻き起こっていったそうです。小集団活動や提案活動で現場の小さな気づきからどんどん業務改善が進んでいきました。 月並みな感想ですが、改めて、変革はどんな分野であれ、強き意志を持った行動する人が一人立てば、すべて変わっていくことを確認できました。

 

最後に、著者がおわりにで書いていた、

「(現場への)リスペクト」そして「(現場の)プライド」があること。

どんな会社や団体でもこの法則は有効なのでしょう。

強い現場、輝く現場に共通するのは、自主性、自発性、自律性です。これらを生み出し、定着させるために不可欠な要素が、リスペクトとプライドなのです。この二つがお互いに影響を及ぼし合い、好循環を生み出したとき、「普通の会社」は「キラキラ輝く普通の会社」へと変身するのです。

p188  おわりにより

  

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いつも思う。東京駅のホームで見かけるテッセイの皆さんを見かけて泣きそうになるたびに、心の中で「ありがとうございます」 と呟いていることを。でも、今度東京駅に行った時は声に出して伝えてみていいかもしれない。いつもありがとう!って。勇気が出せたら言ってみたい気もする。

 

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musa